三社祭りが始まった。
三社の『三』て何だ?浅草寺の縁起に出ている、土師真中知・桧前浜成・竹成の三つの神様をお祭りしているのですね。
去年の祭礼では担ぎ手がお神輿に乗ったので、お神輿が壊れてしまった。もちろん今年は厳禁との事。
神様が乗っているものの上に人が乗ってしまう事自体が不敬なことですものね。
神様を『ケツ目処』の下においてしまうのですから。
浅草で育った友達によれば、三社祭りのお御輿を担ぎたい人はとても多いそう。そのような人はただ『お祭り』騒ぎをしたくて担ぐので困ると言っていた。だから地元の人(氏子)だけが担げるように町内会で『神輿担ぎ券』というのを発行するそうです。
券が無いと担げないので何とか手に入れようとする輩がいるのを見越して、ヤ〇ザさんが『偽造担ぎ券』なるものを作って売るほどだそうです。
防止策として『法被』を作ったそう。
『三社祭りのお御輿を担ぐなんてェのはいかにも『粋』な江戸っ子だねェ・・・』
というのは間違いらしくて、『いきの構造』の九鬼周造さんによると『粋』というのは『媚態』・『意気地』・『諦め』の要素で成り立っているので、『威勢よく』・『男らしく』見えるお神輿の渡御は『粋』とは異なるものということになりますね。
『まあ、随分といなせな様子だねェ・・・』
と言ったりするのが本式の江戸前なのかもしれません。
担ぐ時の掛け声も『セイヤ、ソイヤ』は間違いで、『ワッショイ』が正しいらしい。私の地元のお御輿も担ぐときには『セイヤ、ソイヤ』というので、神主さんが『ワッショイ』がほんとうだといってました。
お御輿をお宮に納めると一本締めをしますがあの時の掛け声の『イヨーヲッ』というのは『祝おう』が訛って『イヨー』になったそうです。
『粋がって』いると思われたくないのなら、地元や、お宮参りに行った神社の神様(産土神)の例大祭に出るお御輿を担ぎに行くのが正統派なのでしょう。