上野・国立博物館『レオナルド・ダ・ヴィンチ 天才の実像』展。最近、上野によく行くなあ。
案外、上野好きってことでしょうか。
第一、第二と会場が分かれていました。第一会場(本館)は『受胎告知』の展示だけ。第二会場(平成館)はレオナルドの手稿を元に業績を検討するというものでした。『受胎告知』は比較的ゆったりと見ることが出来ました。作品を傷めぬようライティングは暗いのですが、ウフィツィ美術館より東京のほうが良いと聞きました。隅々まで見逃さないようじっくり暗さに目を慣らしてみてみると・・・
うーん、やっぱりマリア様の右手の書き方が変。右手を乗せている書見台の位置のせいかな?バックの建物などにも違和感が。ボロクソ(笑)
予習のつもりで『受胎告知』の写真をみた時に、? と思った部分はやっぱり ? でした。
おかしい!絶対不自然だ!というのも、ワタシみたいな絵画の素人が見てすぐに判るデッサンに狂いのある絵を、プライド高そうなイタリア人のレオナルド本人はモチロン、工房の親方ヴェロッキオがそのまま注文主の教会に納品(工房だから)したのでしょうか?その後の作品が素晴らしいので『受胎告知』は若描きであったと許されるのは現代の人の見方であって、大金を払って注文した当時の人が素直に受け取るとは思えないのだけれど。ワタシだったら書き直してくれと言うなあ。
『受胎告知』の1~2年後に部分的に書いた『キリストの洗礼』の天使なんて完璧じゃないスか。
クレームきますよ、普通。だから何かワケがあってそのままにしたとしか思えないんですけれどね。ワケとはなにか?全然わかりません。誰か教えて。工房の中で分業式に描かれたのかもしれない。作者のサインが入らない『ヴェロッキオ工房』作ってことか。
『マリア様の右手は私が描いたものではない』とレオナルド。(首をすくめるポーズ)
平成館の手稿を元にした展示は興味深かったのですがこちらは落ち着いてみる事が出来なかった。それでも『空気遠近法』の説明は良く判ったし、『スフォルツァ騎馬像』の部分的なレプリカだけでも迫力が感じられました。
『手稿を元に』とかかれていたので、あの鏡で見ないと判らないノートの本物が見られるのかと思ってましたが、こちらは実物の展示はありませんでしたのでがっかりしました。
本当にいろいろなことを研究していたのは良く判るのですが、案外と実を結んでないなというのが正直な感想です。これらの研究を元に絵画が描かれたとしてもその数は20枚ぐらいでとても多いとは言えない。500年以上前に自然科学などに目を向けた事自体が高く評価されるのでしょう。(それこそがルネッサンスだし)
ワタクシ的にはちょっと中途半端なヤツって感じ?ゴメンねレオナルド。
アップした写真はフィレンツェのチョコレート『ジャンデューヤ』こちらはしっかりと甘かった。