Friday 13 July 2007

MONOCLE....



ボーナス・シーズンになると男性雑誌で腕時計の特集が増えるのはなぜか?




雑誌という物を読み始めたのは『ポパイ』だった。マガジンハウス(当時 平凡社)の『ポパイ』を読んだ時はすごくインパクトを受けた。アメリカの若者文化を紹介するのがテーマのようでしたが、いろいろな記事を興味深く読むことが出来ましたねー。

その後『ブルータス』がちょっと大人な感じで創刊されて『ポパイ』の卒業組を取り込んだ形になっていたように思います。どちらも当時はほとんど行われていなかった、海外取材をメインの記事にしていた事がとても新鮮に感じたのだと思います。国内の記事だって充実していました。


もう一つ画期的だったのは物を紹介する記事で、必ずそれを売っているお店も紹介していたことです。ただ読むだけじゃなくてその店に行くと買うことが出来て、読んで興味を持った事や物を読者が手に入れられるのが良かったのかも。


それってただのカタログだろうと言えばその通り。でも、今はみんなが当たり前の様に知っている『サーフィン』とか『スケートボード』とか、『BMX』などはその時紹介されたものなので、当時はかなりのインパクトがあったのです。


みんな何も知らなかったんだな。


『イタ・カジ(イタリアン・カジュアル)』を流行らせて、今のイタリアン・ウェアーのブーム(ブームって古いよな)のもととなったのは『ポパイ』のイタリア特集でしょう。


その後出てきた雑誌は大雑把に言ってよければ『ポパイ』・『ブルータス』の模倣だといっても良いと思います。新しい商品を早く紹介するのがテーマに変わってしまった。取材で見つけてきたものを記事にするのではなく、持ち込まれた新製品を記事にするために本当のカタログになっちゃった。


最近は雑誌もなかなか売れないそうで、雑誌のそのものの収入よりも、掲載される広告の収入で雑誌が成り立っているそうだ。こりゃあ、カタログ化が進むわな。


『チョイ悪オヤジ』(チョイってどのくらいチョイなんだよ)を流行させた『LEON』なんてあからさまにカタログしてる。これまた、『LEON』を真似したとしか思えない雑誌が沢山出ている。


お金(広告の収入)を貰って書かれる記事を『提灯記事』、カッコ良くいうと『Paid publish』とか言うそうです。広告を一切載せないというのも極端すぎると思いますが、全て広告に見えるのは流石にレベルが低すぎますね。


専門誌の、たとえば『新作デジカメの性能、徹底比較!』なんかの方が、見た目カタログでも参考になるのでマトモに思えます。

以上、男性雑誌が最近はまったくツマラナイというお話でした。

以前『Wallpaper』の編集長だったTyler Bulreが最近始めた雑誌『MONOCLE』。
全世界で売られる書籍の表紙にパイロットとは言え無名の自衛隊員を載せている。記事の題名は『日本が(武器の)狙いをつける』てな感じでしょうか。他の記事も多彩で内容が充実している。ワタシの今の理想的な雑誌であります。中学生レベルの英語の理解力しかないのですべての記事を読みきれないのが残念です。


この雑誌には『北甲賀』というマンガが付いている。他の国の人から見たら『MANGA』って新鮮に思えるのかもしれない。でも、それをすぐマネッコして日本の雑誌が漫画を付けるのは安っぽくなるのでやめたほうがいいと思います。