Thursday, 21 February 2008

Spirit Possession....

市川昆さん(コンという字が変換できず)が亡くなったので追悼番組で『犬神家の一族』のリメイク版を放映してましたね。


オリジナル版を久々に観たことを以前書いたのだけれど、その時に気がついたことがあった。

『松子夫人』が仮面を被っている佐清が本物かどうか詰め寄られた時に、箪笥というか戸棚の扉みたいなものを開けて何か祭っているものに燈明をあげて祈るシーンがあります。リメイク版もまったく同じように描かれていて、同じ『絵』がでてきます。DVDもしくはビデオがあれば早送りで探して見てくださいね。

そこで祭られている『絵』のようなものが、上の『イヌガミの図』なのです。これは中国・四国地方でみられた『イヌガミ憑き』のイヌガミが描かれたものだそうで、実際に存在している絵だそうです。『怪異物真図』と言うのが本当の題名だそうですが、イヌガミってこんなんが憑くのだよ、とあらわしたのでしょうね。

『犬神』の話の中では、松子夫人が金田一耕介に『何かにとり憑かれたように犯行をくりかえした』云々と語るシーンもあります。ここで、さっきの『絵』がこの台詞の伏線になっているのだとわかるわけですね。ただし、あの『絵』がイヌガミであることを知っていれば。(知るわけないし!)そこで、原作はここの場面はどうなっていたのか?調べようと思って本を探しましたが見当たらなかった。記憶のみで言ってしまうとこの『絵』の描写は特になかったような気がします。そのうちにハッキリさせなきゃあ。


この絵は『日本の憑き物』(中公新書)にでてました。ただし『イヌガミ憑き』というのは、映画と違ってオカルトのようなものではないと書いてあります。イヌガミにとりつかれて人を殺したというような記録もないようです。ざっくりと言うと江戸時代中頃に貨幣経済が発達し始めた時に起こった、同じ村の中での社会的地位の逆転が原因になっているのだそうです。面倒くさいので詳しく書かない。
『犬神』の映画の中では、ただ『犬神』と『イヌガミ』をひっかけて、ストーリーを盛り上げるために使われているようで、全然関係無さそうですね。

リメイク版は何で製作したのか解らないくらいオリジナルと同じでした。個人的にはオリジナルの方が迫力があって好きです。出ている役者も。ただラストシーンが少し違っていた。金田一耕介の駅のシーンで終わるのと、道を歩いていて振り返って軽く会釈をして終わるところが違います。
市川監督の遺作になったこともあって、金田一の会釈が市川さんの別れの挨拶だという解釈がされていました。どうなんだろう?あと何作か映画を撮りたいとインタビュウに答えていたそうだからこれが最後だとは思っていなかったのじゃないかな。それとも、『犬神』を撮っているうちに、もう最後っぽいと思ったのでしょうか?
市川さんが取りたい映画を撮ったのであれば、『犬神』を本当にリメイクしたかったのだろうとおもいますが、ワタクシはそのエネルギーでもっと別の映画を残してほしかったと勝手に思っています。ちょっと残念。