Monday 28 November 2011

聞香に挑戦・・・


『松栄堂』のお線香『正覚』を聞く。

資生堂の香水の調香師だった中村祥二さんの『調香師の手帖(ノオト)』のなかで紹介されていた『お香(お線香)』ですね。

最上級の『伽羅』のみを使ってつくられているそう。『伽羅』は『沈香』の中でも最上級の物だそうです。

『沈香』は東南アジアに生える沈丁花科の植物の木に傷ができたところに、カビのような『菌』がつくことで植物自信が樹脂を分泌して防御しようとした部分を乾燥させたものらしい。

もともとの木の部分より比重が重くなって水に沈むので『沈水』、『沈香』と言われるそうな。

東大寺の御物『蘭者待』(者の上に(大)がつきます)が有名ですね。あの出来損ないのカツオブシみたいなヤツ。あれは正確には『黄熟香』というらしく、『伽羅』の方がランクは上のはず。



こちらの『正覚』は『祥薫』という名前のサイズで、11cmの長さ。パッケージを開けただけで良い香りがします。このままでもいいかもしれないと思いつつ、火をつけてみると・・・

だれでも嗅いだことのあるお馴染みの香りがします。が、さすがに香りに奥行きがあると言えばいいのか、軽い甘さのなかにほろ苦さが感じられてすこぶる良い感じ。リラックスします(個人の感想です)

短いので早く燃え尽きてしまいますが、よくある燃え尽きた後のお線香独特な残り香が感じられずに、伽羅のほのかな香りが残るだけなので、お部屋の中も快適ですねー。

これがもしかしたら『古めき静か』な蘭者待の香りと同じかもしれない、と思って、店番の人を呼んで感想を求めたら・・・

『ああ、お寺の臭いねー。』の一言。トホホ。

精密な蓋の出来具合をごらんあれ

でもって、パッケージと言うにはあまりに精密な入れ物がスゴイ。バルサ様の木製で、ぴったり密閉できるようになっています。写真だと大きく見えますが2cmくらいの巾しかありません。

お線香を全部使った後もとって『おこう』(洒落でさげてみる)