Sunday 18 November 2007

Today....Mt.FUJI and Sunset.




『この辺は富士山が良く見えるので嬉しい』




引っ越してきたお客様によく言われます。引越しをしたことがなく、物心ついてからズーッと富士山が見えるのは当たり前で生きてきているので、あまりにもお客様が感激しているのを見るのは、ちょっと不思議な感じになってしまいます。

富士山がいつも見える場所というのは狭い日本といえども限られた範囲なわけで、『富士は日本一の山』といっても旅行などをしない限り見ることが出来ない方が大多数なのだな、とあらためて自分の(富士山に関しては)運の良さを確認する事になります。

子供の頃は、朝、歯を磨く時に洗面所の窓を開けるだけで富士山が良く見えました。いま頃の季節になると富士山のてっぺんも雪が積もって『アー、もう秋から冬に変わったな』と子供心に思ったりしてました。が、大人になると富士山を見ることさえしなくなってしまった。

前回で『富嶽三十六景』を書いたのでそういえば、と思い富士山の写真でもアップしようと思いました。すると、良く見える場所というのがなかなか無いことに気がつきました。自宅の周りは建て込んできてしまってまったく見えない。見えないと思うと見たくなるのがレベルの低い人間の特質で、クルマであちらこちらと探してしまいました。

たまたま眺めのいい場所を通って、写真に取りたい時はデジカメを持っていなかったり、ねらいをつけて行ってみると雲がかかって絵にならなかったり。今さらに富士山が見えるということの喜ばしさを実感しました。

いくつか撮った画像を見てみると、↑の画像がいつも自分が見かける普段着の(笑)富士山に近いようなのでアップしてみました。夕方仕事の帰りとかにふと夕焼けに気がついて西の方を見ると富士山がシルエットで見えるんですよね。

『北斎』の『凱風快晴』も良いんですが、自分が良く見る富士山の感じにいちばん近い気がするのが『御厩川岸より両国橋夕日見』ですね。渡し舟に乗っている人が手ぬぐいを隅田川につけて洗っていたりしている両国橋の西のかなたに、シルエットの富士山が小さめに描かれている。

夕焼けが綺麗で『明日も晴れるなー』と見上げた西の空に富士山が見える。船頭さんもきっとそう思っているに違いありません。一日の終わりに忙しさから抜けて、ふと富士山を見つける感じが現代の自分にも共通な気がします。