Thursday 8 November 2007

Spirit Of SAMURAI...



『高倉健』は元々は喜劇俳優。


その高倉健さんの推薦で買ってしまったのが、この『日本刀 日本の技と美と魂』です。
まあ、内容は日本刀の権威の人の『口(くち)プロレス』という感じで、初心者?には難しいかも。

『日本刀』を芸術品として鑑賞するという主旨で、刀の刃の表面に現れる模様、『沸(にえ)』とか『匂(におい)』とかの表現にはそそられる(?)のですが、肝心の刀の写真は白黒でその表現を実感できないのが残念。オールカラーのグラビアではお値段がものすごい事になるでしょうけれど。

『日本刀』ってあまり実物を見たり、触れたり(持ったり)することはないですよね。でも、現在使っている言葉には結構『カタナ』がらみのものがある。よく聞くのは『鞘当』とかね。

たとえば『折紙』。『あの人の優秀さは折紙付きだ。』なんていうけれど、これは刀の目利きのひとがその刀の鑑定をして価値とか真偽を保証した保証書にあたるのだそうです。また、このように鑑定する事を『極める』(きめる、きわめる)とも言うそう。

『日本刀』でよく言われるのは、『よく切れる』ということでしょうが、これまた身近な物でないのでどのくらい切れるのか判らない。以前に『トリビアの泉』で、鉄砲玉と勝負していたけれど、相手は『鉛』なのだから、鉄(鋼)が負けるわけはナイ。
『江戸百話』によると、武士同士の諍いで旦那が切りつけられたのを見た奥さんが、止めに入って刀の刃を両手で握ったところ十本の指が『パラパラと落ちた』とあるし、『生麦事件』のイギリス人は胴体が真っ二つに切られていた、とも書かれているので実際に、そのくらい切れたのでしょう。

江戸時代の死刑は刀で首を切っていたわけで、『山田朝衛門(浅衛門)』という専門に首をキル人がいたそうです。もともとは武道の達人だったそうで、本来は同心(時代劇に出てくる)が斬首する事になっていたらしいのが、流石にためらわれたのか皆が山田さんに頼んだので、山田さんはキル専門になってしまった。明治時代まで八代も続いたらしい。首を切った後、内臓(肝臓)をとりだして『薬』として売っていた。この現場を観察したのが杉田玄白と前野良沢。この薬を売るのは、かなり実入りの良い商売だったそうです。

『下手人』という言葉は、時代劇では『犯人』を示す言葉だけれども、本当は『死刑』という意味なんだそうです。武士は自分で腹を切って死ねるけれど、江戸時代の市民は腹を切れないので、お上が『手を下して』やる人、という意味でしょうね。『下手人』は死刑の中でも軽い(?)ほうで、斬首だとその後『様斬り(ためしぎり)』に死体をつかったそうで、新しい刀が出来ると、『様斬り』をして、した人が『折紙』を、『二つ胴 土壇つき』(二人分重ねて切ってみたら、スッパリきれて地面に着くほどだった。)などと書いたとか。

『土壇場』って、試し切りの時に、胴体が動かないように土を盛上げて安定させるもののことだそうです。だから『土壇場で逆転』というのは間違いですね。


もう首を切られちゃってるから逆転は出来ないッス。